Letter 地球:統計的地球化学によって明らかになった、永続的リソスフェア進化に約25億年前に生じた途絶 2012年5月24日 Nature 485, 7399 doi: 10.1038/nature11024 地球は、表面からの熱損失と放射壊変による熱生成低下の結果として、過去45億年間にわたって寒冷化し続けてきた。熱流束の変化が始生代の地球ダイナミクスにどのような影響を及ぼしたかを解明するため、火成学的地球化学の手法が用いられているが、系統的な地球化学的進化の記録は、岩石記録の不均一性と、選択と保存の偏りに関する不確定性のために複雑になっている。本論文では、大陸火成岩記録から得られた約70,000個の試料の地球化学的データベースに統計的標本抽出法を適用し、地球史の全体にわたる長期的な地球化学的進化の包括的記録を作製した。永続的なマントルの冷却と一致して、玄武岩の固相濃集元素と液相濃集元素は、時間とともにマントルのメルトの割合が徐々に減少していることを記録している。この緩やかな進化に加えて、約25億年前に広範にわたる地球化学的不連続が生じ、玄武岩中のマントルのメルトの割合と、深部地殻の融解と分別の指標となる珪長石のNa/K、Eu/Eu*(ユーロピウム異常)、La/Yb比が大きく減少していることがわかった。始生代と原生代の境界を跨いで保存された地殻の厚さの増加とともに、これらのデータは、始生代のマントルは大量に融解して厚い苦鉄質の下部地殻を生成し、その結果地殻深部で層間剥離と融解が起こって、トーナル岩–トロニエム岩–花崗閃緑岩が豊富な火成活動と始生代の保存された薄い地殻をもたらすというモデルと一致する。地球化学的性質と地殻の厚さの観測された変化が始生代末期の段階的な大気酸化と同時に起きていることは、地球深部の地球化学的過程と大気の酸素濃度上昇との間に有意な時間的関連性を与えている。 Full Text PDF 目次へ戻る