Letter 化学:光によって誘起される液晶性 2012年5月17日 Nature 485, 7398 doi: 10.1038/nature11122 液晶は従来、液晶分子系の組織化と秩序を支配する刺激に基づいて、サーモトロピック、リオトロピック、高分子に分類されている。最も広く知られ、かつ最も広く応用されている液晶種は、サーモトロピック液晶の一部で、カラミチックとして知られているものである。カラミチック液晶では、熱を加えるとネマチック、コレステリック、スメクチック中間相への相転移、またはこれらの中間相からの相転移が起こる。光応答性の液晶材料や液晶混合物は、光が中間相内の系の秩序パラメーターに十分影響を及ぼす場合、等温相転移を起こしうる。これまでのほぼすべての実験で、光応答性の液晶材料や液晶混合物に光を照射すると、秩序が低下する光誘起等温相転移が起こった。光応答性液晶系は光照射状態で秩序が低下する傾向があるにもかかわらず、特殊な条件下では光照射による秩序の増大が報告されている。以前に、スピロピラン分子とネマチック液晶の混合物で、等方相からネマチック相への直接光誘起転移が観測されたことがある。今回我々は、秩序を増大させる相転移を可能にする光誘起分子コンホメーション変化を示すナフトピラン系材料群について報告する。ナフトピラン分子を適切に官能基化すると、開環体の秩序パラメーターが非常に大きくなり、その結果、透明状態から吸収の強い二色性状態が生じる。光照射による秩序増大は、光学、フォトニクス、レージング、ディスプレイの分野に重要な関連があり、太陽エネルギー捕集用途向けにさらに検討していく価値があるだろう。また、この材料系が示す大きな光誘起二色性は、フォトクロミックサングラスや可変透過率偏光サングラスなどの眼科での応用で長く待ち望まれていた性質である。 Full Text PDF 目次へ戻る