Letter 遺伝:KCTD13は16p11.2コピー数多型の鏡像関係にある神経解剖学的表現型の主要駆動因子である 2012年5月17日 Nature 485, 7398 doi: 10.1038/nature11091 コピー数多型(CNV)は遺伝的疾患の主要な原因となっている。今回我々は29個の遺伝子が含まれる染色体16p11.2領域を詳細に調べた。この領域が欠損あるいは重複すると、神経認知障害が生じやすくなる。それぞれのヒト転写産物をゼブラフィッシュ胚に過剰発現させ、16p11.2の重複に関連する小頭症表現型を単独の転写産物で誘導できる遺伝子座としてKCTD13を同定した。一方、この同じ遺伝子座を抑制すると、16p11.2の欠失と関連した大頭症表現型が生じ、ヒト疾患の表現型が忠実に再現された。ゼブラフィッシュ胚とマウス胚の解析により、小頭症は発達中の脳で神経前駆細胞の増殖低下にアポトーシスの増加が合わさって起こり、一方大頭症では増殖は増加するがアポトーシスは変化しないことに起因することが示唆された。KCTD13遺伝子量変化の役割は、最近報告された16p11.2に狭い欠失を持つ家族と、本論文で報告するKCTD13のde novoな構造変化を伴う複雑な16p11.2の再配置を持つ患者の両方に見られる自閉症の場合と合致する。今回の結果は、KCTD13が16p11.2のCNVに関連した神経発達表現型の主要な駆動因子であることを示唆しており、CNVに含まれる1つあるいは少数の転写産物が、臨床表現型の基礎となる可能性があるという説の新たな証拠になるとともに、遺伝子量感受性の遺伝子座を同定する効率のよい手段も示している。 Full Text PDF 目次へ戻る