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構造生物学:JDTicと複合体を形成したヒトκオピオイド受容体の構造

Nature 485, 7398 doi: 10.1038/nature10939

オピオイド受容体は、疼痛調節、呼吸刺激、気分などの多くの生理学的過程[κオピオイド受容体(κ-OR)の場合は不快感や精神異常発現]に対する内因性および外因性のオピオイドの作用を仲介している。本論文では、選択的アンタゴニストJDTicと複合体を形成し、並行二量体構造を形成しているヒトκ-ORの2.9 Å分解能での結晶構造を報告する。この構造は、ヒトκ-OR に対するJDTicの高親和性およびサブタイプ選択性の一因となっているリガンド結合ポケットの重要な特徴を明らかにしている。モルフィナン誘導体アンタゴニストのノルビナルトルフィミンや5′–グアニジノナルトリンドール、およびジテルペンアゴニストのサルビノリンA類似体RB-64などの、ほかの重要なκ-OR選択的リガンドのモデル化によって、これらの多様な化学型の結合についての一般的特徴および個々の化学型ごとに異なる特徴の両方が明らかになった。部位特異的突然変異誘発およびリガンド構造・活性相関の解析から、結晶構造中で観察された相互作用が確認され、それによってκ-ORサブタイプの選択性が分子レベルで説明され、またヒトκ-ORを標的とする新規な薬理学的特性を持つ化合物の設計について重要な手がかりが得られる。

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