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農業:有機農業と慣行農業の収量を比較する

Nature 485, 7397 doi: 10.1038/nature11069

世界の食糧供給体制に関しては、数多くの報告書が大幅な変革の必要性を強調しており、農業は、食肉および高カロリー食物の需要増大を伴いながら増加する人口へ食糧を供給し、それと同時に地球環境への影響を最小化するという、2つの難題に対処しなければならない。生態系、動物、あるいは人類に及ぼす害を最小化しながら食糧を生産することをめざす「有機農法」という方法は、解決策の1つとしてしばしば提案される。しかし、有機農業は収量が低くなる可能性があるため、慣行農法と同量の食糧を生産するには広い農地が必要になり、結果として森林伐採や生物多様性減少がさらに広がって有機農法の環境面のメリットが損なわれるという批判的な意見もある。今回我々は、包括的なメタ分析により、有機農法と慣行農法の相対的な収量実績を世界規模で検討した。利用可能なデータの分析から、全体として、有機農法の収量は一般に慣行農法の収量を下回ることが明らかになった。しかし、その収量の差は、農法および農地の特性に依存し、状況による変動がきわめて大きく、有機農法の収量はマイナス5%(弱酸性から弱アルカリ性土壌の天水栽培したマメ科植物および多年生植物)から、マイナス13%(最適な有機農法が利用された場合)、マイナス34%(慣行農法と有機農法の条件が最も近い場合)までまちまちであった。したがって、適切な管理法や特別な種類の作物および栽培条件といった特定条件下では、有機農法で慣行農法にほぼ匹敵する収量を得ることができるが、それ以外の条件下では、そうした収量を得るのは今のところ不可能である。持続可能な食糧生産の重要手段としての有機農業を確立するには、有機農法の収量を制限している諸要因の解明をさらに進めるとともに、有機農法が社会、環境、および経済にもたらすさまざまな利益を評価することが必要である。

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