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地球:沿岸流の方向転換によって、南極棚氷中の大きな空洞で21世紀に起こる水温上昇

Nature 485, 7397 doi: 10.1038/nature11064

南極氷床は南大洋との境界となる外縁部で質量を失っている。この境界では、暖かい周極水が大陸棚斜面前縁部を乗り越えることがあり、海底下の氷食谷を通って接地線に達し、氷床底部の深部で融解速度を高めている。したがって、海流と大陸棚海底地形との相互作用は、将来の氷質量の減少速度に影響を及ぼすと考えられる。本論文では、21世紀後半に、沿岸流がフィルヒナー・トラフとフィルヒナー・ロンネ棚氷の下へ流れ込むように方向を変えることで、棚氷南部の深部にある空洞へ流れ込む温かい海水流が増加することを示す。空洞の水温は摂氏2度以上上昇し、底部の平均的な融解を年間0.2メートル、すなわち820億トンからほぼ年間4メートル、すなわち1兆6,000億トンへと増大させる。この結果は、HadCM3気候モデルのさまざまな大気出力により強制された海氷海洋結合モデルの出力に基づいており、このような変動は主として、それまでは厚く固まっていた海氷域が薄くなることでウェッデル海南東部の海洋表面の応力が増加することにより起きることを示唆している。フィルヒナー・ロンネ棚氷底部で予想される氷の減少は、現在の南極表面における質量平衡の80%に相当する。したがって、変化する気候条件下での底部の質量減少の定量化は、南極の氷流と棚氷の動態、および全球の海水準上昇についての予想に重要である。

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