Article 構造生物学:P2X受容体でのATP結合とイオンチャネル活性化の分子機構 2012年5月10日 Nature 485, 7397 doi: 10.1038/nature11010 P2X受容体は、三量体のATP活性化型イオンチャネルで、Na+、K+とCa2+を透過させる。P2X受容体の7つのサブタイプは、シナプス伝達の修飾、平滑筋収縮、化学伝達物質の分泌や免疫反応の調節などの生理過程に関係している。細胞生理におけるP2Xの重要性にもかかわらず、ATP結合部位の三次元構成、ATPに依存するイオンチャネル開閉の構造的機構や、開いたイオンチャネル小孔の構造は知られていない。今回我々は、ATPと複合体を形成したゼブラフィッシュP2X4受容体の結晶構造と、アポ受容体の新規な構造を報告する。アゴニストを結合した構造から、これまで観察されたことがなかったATP結合モチーフと、開いたイオンチャネル小孔が明らかになった。ATPの結合により、ヌクレオチド結合ポケットの裂け目が閉じ、本体下部のβシートが曲がって、細胞外前庭の放射状の拡大が引き起こされる。細胞外前庭の構造的拡大は、膜貫通へリックスの虹彩様の拡大によってイオンチャネル小孔の開口と直接連動している。ATP結合部位およびイオンチャネル小孔の構造記述は、イオンチャネル開閉に関連するコンホメーション変化とともに、新たな薬剤の開発を促進するだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る