Letter 生理:概日行動と概日代謝のREV-ERB-αとREV-ERB-βによる調節 2012年5月3日 Nature 485, 7396 doi: 10.1038/nature11048 概日時計はCLOCK–BMAL1転写ヘテロ二量体を介してゲノムレベルで働いて、内的挙動のリズムと生理的リズムを協調させている。核内受容体REV-ERB-αとREV-ERB-βは、時計機能を支える補助的フィードバックループを形成していると考えられているが、その正確な役割と重要性については、まだ解明されていない。REV-ERBの2つのアイソフォームの持つ調節能力を明らかにするために、我々はマウスの肝臓でこれら両方のアイソフォームのゲノム全体にわたるシス作用性標的(シストローム)を決定し、その結果、これらの全DNA結合部位の50%以上が共通に認識されること、概日リズム調節の主要因子であるBMAL1と幅広く重複することが明らかになった。REV-ERB-αがBmal1の発現を直接調節することはすでに明らかになっているが、今回のシストローム解析で、REV-ERB-αとREV-ERB-βによるゲノム調節回路とBMAL1との間に、これまで考えられていたよりも深い結びつきがあることがわかった。BMAL1、REV-ERB-α、REV-ERB-βのシストロームの共通部分にある遺伝子は、時計機能と代謝機能にかかわるものが非常に多かった。シストローム解析から推測されるように、ダブルノックアウトマウスを作製してRev-erb-αとRev-erb-β機能を両方とも喪失させると、コア概日時計遺伝子と脂質恒常性にかかわる遺伝子ネットワークの発現の概日リズムが破壊される。その結果、ダブルノックアウトマウスでは回転輪走行行動の概日リズムが著しく変化し、脂質代謝の脱調節が起こった。これらのデータによって、REV-ERB-αおよびREV-ERB-βと、遺伝子発現の概日リズムを生む主要なフィードバックループを構成するPER、CRYなどの成分とが1つに結びつけられ、概日リズムと代謝を協調させる機構がこれまで以上に完全に近い形で明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る