Article 医学:セマフォリン3Aによる骨保護 2012年5月3日 Nature 485, 7396 doi: 10.1038/nature11000 骨格は、ホルモンに加えて、骨を形成する骨芽細胞ならびに骨を再吸収する破骨細胞を制御する局所因子によって維持されている。オステオプロテジェリンは、破骨細胞による骨吸収を抑制することによって骨を保護するが、局所における骨量の決定因子として、破骨細胞と骨芽細胞の両方を制御する因子はいまだに同定されていない。今回我々は、セマフォリン3A(Sema3A)が破骨細胞による骨吸収を抑制すると同時に、骨芽細胞による骨形成を増加させることにより、骨保護作用を示すことを明らかにする。ニューロピリン1(Nrp1)へのSema3Aの結合は、免疫受容体活性化チロシンモチーフ(ITAM)およびRhoAシグナル伝達経路を抑制することにより、破骨細胞分化因子RANKL(receptor activator of nuclear factor-κB ligand)によって誘導される破骨細胞分化を抑制した。さらに、Sema3AとNrp1の結合は、古典的なWnt/β–カテニンシグナル伝達経路を介して骨芽細胞の分化を刺激し、脂肪細胞の分化を抑制した。Sema3a−/−マウスに生じる骨量低下は、Nrp1のSema3A結合部位を破壊した遺伝子改変マウスでも再現された。マウスにSema3Aを静脈内投与すると骨量が増加し、骨の再生が促進された。以上の結果から、Sema3Aは骨および関節の疾患の新規治療物質として有望である。 Full Text PDF 目次へ戻る