Letter 宇宙:衝突スフェリュールは地球の古代の重爆撃の記録である 2012年5月3日 Nature 485, 7396 doi: 10.1038/nature10982 衝突クレーターは、小惑星衝突を最も明瞭に示すものだが、地球上のクレーターは地表の風化作用やテクトニクス過程によって速やかに不明瞭になったり、破壊されたりする。したがって、地球への衝突の歴史は、地球近傍の小惑星の観測によって決定された現在の衝突天体フラックスの見積もり、あるいは月の不完全な衝突年代記録から推測されている。地球に衝突する小惑星は概して、標的となった岩石の質量を小惑星の質量に匹敵する分、蒸発させる。この気化したガスは、大きなプリュームあるいは火球となって広がるにつれて冷却され、スフェリュールと呼ばれる溶融した小滴へと濃縮される。直径およそ10キロメートルより大きい小惑星の場合、このようなスフェリュールは全球に広がる層として堆積する。したがって、地質学的な記録中に保存されたスフェリュール層は、源であるクレーターが発見できない場合でも、衝突に関する情報をもたらす。本論文では、全球的なスフェリュール層を生成した小惑星の大きさと衝突速度の推定値について報告する。これらのスフェリュール層から得られた衝突年代は、衝突天体のフラックスが現在に比べて35億年前のほうがかなり高かったことを示している。この結論は、後期重爆撃後の衝突天体のフラックスが徐々に減少したことと一致している。 Full Text PDF 目次へ戻る