Letter 物性:準一次元モット絶縁体Sr2CuO3におけるスピン–軌道分離 2012年5月3日 Nature 485, 7396 doi: 10.1038/nature10974 電子は、素粒子と見なせば、スピンと電荷を持っている。さらに電子は、原子核と結合すれば、電子が占める量子化原子軌道に対応した角運動量量子数も獲得する。固体中の電子がバンドを形成し、核から離れて非局在化しても、モット絶縁体中では電子は3つの基本量子数(スピン、電荷、軌道)を保持している。一次元物理の特徴は、素粒子としての電子がばらばらになって別々の自由度を示すことである。電子が分離して、スピンを持つ独立した準粒子(スピノン)や電荷を持つ独立した準粒子(ホロン)になることは、15年前に初めて観測された。今回我々は、一次元モット絶縁体Sr2CuO3に共鳴非弾性X線散乱を用いて、軌道自由度の分離(オービトン)を観測したことを報告する。我々は、スピノンから分離し、別個の準粒子として格子を伝搬するオービトンを分解観測している。このオービトンは、ほぼ1ブリルアンゾーンにわたり、運動量に対して約0.2エレクトロンボルトという大きなエネルギー分散を示す。 Full Text PDF 目次へ戻る