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細胞:RNA干渉スクリーニングにより明らかになった、幹細胞の自己複製と長期間にわたる再生に関与する新規分子

Nature 485, 7396 doi: 10.1038/nature10940

成体幹細胞は、動物の生涯にわたって組織の維持と再生を支えている。これらの細胞は、特定のシグナル伝達ニッチに存在することが多く、これらのニッチは組織再生の要求に基づき、静止状態と細胞周期への再進入の間で幹細胞がバランスを取る作用を調整する。組織再生後、幹細胞がどのように自己補充能を維持しているかは、ほとんどわかっていない。本論文では、RNA干渉を基盤とする機能喪失スクリーニングを強力な手段として用い、幹細胞の自己複製能と再生力を支配する転写調節因子を明らかにする。毛嚢幹細胞は理想的なモデルである。毛嚢幹細胞はin vivoの本来のニッチから純化されて、その特徴が明らかにされており、急速に分裂する子孫細胞とは異なり、in vitroでの長期間にわたる維持および継代が可能である。子孫細胞と比較して幹細胞に豊富に存在する核タンパク質と転写因子に焦点を絞り、約2,000個の単鎖ヘアピンRNAのスクリーニングを行い、in vitroでの幹細胞の自己複製に対する、短期ではなく、長期の影響を調べた。我々の知見の生理学的意義を検討するために、このスクリーニングで明らかになった1つの候補分子(TBX1)を選んだ。この転写因子は、多くの組織に発現しているが、幹細胞生物学との関連では研究されていなかった。in vivoTbx1を条件的に除去すると、恒常性が維持されている場合は、組織再生は正常に起こるものの、非常に遅延することがわかった。次に、幹細胞の補充を調べるためのin vivoアッセイを考案し、再生を数回繰り返させると、Tbx1欠損幹細胞ニッチはしだいに枯渇していくことがわかった。我々はTBX1の作用機構を検討し、TBX1がBMPシグナル伝達の内因性可変抵抗器のような役割を持つことを見いだした。つまりTBX1は、毛嚢での幹細胞の静止状態と増殖状態の間の移行を管理する監視役である。今回の結果は、RNA干渉スクリーニングの有効性を実証し、また、RNA干渉スクリーニングが幹細胞の自己複製や組織再生能を支配する新しい分子の発見に力を発揮することを強調している。

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