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免疫:本来のコンホメーション切り替えを利用したインターロイキン2「スーパーカイン」の作製

Nature 484, 7395 doi: 10.1038/nature10975

免疫刺激性サイトカインのインターロイキン2(IL-2)は、T細胞やナチュラルキラー(NK)細胞などの多様な白血球の増殖因子である。IL-2を、エイズからがんまでのさまざまな免疫疾患の治療薬として使用するために、これまで相当な努力が費やされてきた。しかし、臨床での使用は副作用のために制限されている。IL-2は、活性化T細胞ではIL-2、IL-2Rα(別名CD25)、IL-2RβおよびIL-2Rγという4種類の分子からなる「高親和性」の受容体複合体を介してシグナルを伝達する。ナイーブT細胞はIL-2RβおよびIL-2Rγを低密度にしか発現しておらず、そのため、IL-2に対する感受性が比較的低いが、IL-2を捕獲しIL-2RβおよびIL-2Rγに提示するCD25が発現すると、IL-2に対する感受性を獲得する。我々はin vitro進化を用いて、CD25発現がなくてもIL-2が機能できるように、IL-2Rβに対する結合親和性を高めたIL-2「スーパーカイン」(super-2とも呼ばれる)を作製した。遊離型および受容体結合型のIL-2スーパーカインの結晶構造から、進化した変異は主にIL-2のコアに存在することが示され、分子動力学的シミュレーションからは、この進化した変異がIL-2Rβへの結合部位にあるヘリックスの柔軟性を低下させ、CD25に結合した場合に似た最適な受容体結合コンホメーションにIL-2を安定化することが示された。IL-2スーパーカイン中の進化した変異は、STAT5の強力なリン酸化やT細胞の活発な増殖をCD25発現に関係なく引き起こし、CD25の機能的役割を再現していた。IL-2スーパーカインは、IL-2に比べて、細胞傷害性T細胞の増殖をより多く引き起こすことでin vivoでの抗腫瘍応答を改善し、また制御性T細胞の増殖誘発が相対的に少ないために肺浮腫を軽減させる。まとめると今回の結果は、IL-2の効力を高め、標的細胞への特異性を調節するCD25の機能的役割をin vitro進化によって模倣できたことを明らかにしており、これは免疫療法に関係してくる。

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