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遺伝:線虫ではセントロメアクロマチンが生殖系列の転写と逆相関するパターンに規定される

Nature 484, 7395 doi: 10.1038/nature10973

セントロメアは、細胞分裂の際にゲノムの分離を導く染色体領域である。ヒストンH3の異型であるCENP-A(別名CenH3)は、セントロメア活性が染色体上の1つの領域に限定されている一動原体型生物と、セントロメア活性が染色体の全長にわたって分布している全動原体型生物とで、セントロメアを規定している。大半のセントロメアに見られる高度に反復したDNA配列は、セントロメアの機能にとって必要でも十分でもないことから、CENP-Aヌクレオソームクロマチンの安定的な継承によって、セントロメア特性がエピジェネティックに伝えられると考えられている。本研究では、全動原体型である線虫(Caenorhabditis elegans)において、新たなCENP-Aヌクレオソームの動員を誘導するために既存のCENP-Aヌクレオソームが必要でないことを示す。このことは、受精時に精子によるCENP-Aの伝達が起こらず、また、卵形成の減数分裂前期にCENP-Aが一度除去されてから再装填されることによって示唆される。胚におけるゲノム規模でのCENP-A分布地図作成と核内のCENP-A分子の定量化により、累積するとゲノムの半分に当たる領域にCENP-Aが低密度で組み込まれていることが明らかになった。胚のCENP-A領域は、生殖系列と初期胚で転写される領域とは逆のパターンで樹立されており、変異体の生殖系列で遺伝子の異所的転写が起こると、胚でのCENP-A組み込みパターンが変化した。さらに、生殖系列では転写されるが胚では転写されない領域は、胚発生期を通じてCENP-Aを組み込まない。生殖系列の転写が、子孫細胞でのCENP-Aの組み込みを排除するゲノム領域を規定し、胚発生初期の接合子の転写がこの基本パターンを改変したり強化したりすると考えられる。以上の知見から、セントロメアの特性と転写とが結びつけられ、セントロメアの進化的な可塑性を解明する糸口が得られた。

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