Letter 生態:生態的に等価な種でも性選択によって長期的共存が可能になる 2012年4月26日 Nature 484, 7395 doi: 10.1038/nature10971 性的選好性が種の境界の維持にきわめて重要であることは実験データで示されているが、理論的研究では、それが単独で生物多様性の維持に果たせる役割はごく小さいことが示唆されている。これは、生態的な差異化がなければ、重複する生息域中での複数種の長期的共存は起こりえないと考えられるからである。本論文では、性選択の標準的なモデルを一般化し、性選択を有する集団に普遍的な2つの特徴(局所的な環境収容力の空間的変動と雌の配偶者探索コスト)を持たせることにより、性選択に関して広く支持されているこの考えの正当性を検討した。上記の2つの特徴が重なると、局所的な環境収容力の空間的な変動が実験では検知不可能なほど小さい場合でも、性的選好性だけで種の共存を維持できることが明らかになった。この理論的研究は、生息域が重複していて生態的に等価な種の長期的共存が性選択のみによって促進されることを示しており、これは種の多様性の維持に関する新たな説明となる。 Full Text PDF 目次へ戻る