Letter 生理:自然条件下でのショウジョウバエの概日行動リズムの意外な特徴 2012年4月19日 Nature 484, 7394 doi: 10.1038/nature10991 概日時計は、生理、代謝、および行動を、地球の24時間という地球物理学的周期に同期させるように進化してきた。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の周期的な運動行動は、高等真核生物の時計遺伝子を見つけ出すための主要な表現型となっている。実験室で作り出した明暗周期の下では、ハエは光のオン・オフの信号に先立って活動亢進を示し、そうした予期的な応答により、対応する朝(M)および夕方(E)の振動子の神経部位が確定されている。しかし、自然環境は実験室に比べて周期的な環境刺激がずっと多いため、我々は、自然状態でのハエの運動リズムを調べた。本論文では、実験室での結果に基づいて立てられた概日行動に関するいくつかの重要な仮説が、自然観察からは裏付けられないことを明らかにする。このような仮説には、明暗の推移の予期、昼頃の「午睡」、ハエの薄明薄暮の活動、月光下での夜間行動、および光刺激の温度に対する優位性などがある。また、MおよびEに加えて、第三の重要な運動要素が観察され、これはA(afternoon;午後)と命名された。さらに、現実の温度および光の周期を模擬的に再現することにより、このような自然リズム表現型が実験室でも観察できることがわかった。今回の結果は、自然を模倣した条件下での概日行動およびその分子レベルでの読み出しを包括的に再検討することにより、この重要なリズム表現型の適応的重要性に関してもっと信頼性の高い解釈が得られることを示唆している。そうした研究は、自然のプロトコルの下で概日時計の基盤をなす分子的および神経解剖学的な基質を明らかにするのにも役立つだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る