Article 生理:脂肪組織の新規ChREBPアイソフォームは全身のグルコース代謝を調節する 2012年4月19日 Nature 484, 7394 doi: 10.1038/nature10986 肥満および2型糖尿病の罹患率は世界中で増加しており、寿命短縮の原因となるおそれがある。主要な発病因子は末梢組織におけるインスリン作用障害である。インスリンはグルコース輸送体GLUT4(別名SLC2A4)を介して脂肪組織へのグルコースの取込みを開始させ、脂肪組織でのGLUT4の発現または機能の変化によって全身のインスリン感受性が調節される。ヒトおよびマウスの脂肪組織では、糖尿病の発病初期にGLUT4の発現が低下する。今回我々は、脂肪組織のGLUT4は、脂質生成および解糖系の遺伝子に対する転写調節因子であるChREBP(carbohydrate-responsive-element-binding protein;別名MLXIPL)の発現を制御することを報告する。さらに、脂肪組織由来のChREBPは脂肪組織での脂肪酸合成および全身のインスリン感受性の主要な決定因子である。我々が今回発見したChREBPによるグルコース調節の新規機序は、グルコースを介するカノニカルなChREBPアイソフォーム(ChREBP-α)の活性化により、別の選択的プロモーターから転写される強力な新規アイソフォーム(ChREBP-β)の発現が誘導されるというものである。ヒトの脂肪組織でのChREBP-βの発現からインスリン感受性が予測できるので、これは糖尿病治療の有効な標的となる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る