Article 構造生物学:ダイニンモータードメインの2.8 Å結晶構造 2012年4月19日 Nature 484, 7394 doi: 10.1038/nature10955 ダイニンは微小管上で働くAAA+モーター複合体で、繊毛運動や細胞分裂、細胞移動や細胞内輸送を駆動する。今回我々は、キイロタマホコリカビ(Dictyostelium discoideum)細胞質ダイニンの380 kDaモータードメインについて、個々のアミノ酸残基レベルでその構造や作動機構を議論することが可能な、これまでで最も高分解能の2.8 Å結晶構造を報告する。この分解能で見いだされた特徴的構造は、リング状AAA+ ATPアーゼ中の4つの異なるヌクレオチド結合部位へのADPの結合状態や、リングとレバーアーム様リンカーとの相互作用部位、リングと微小管結合ストークをつなぐ特異な構造などで、いずれもダイニンの運動機構に重要である。我々は、また、力発生にかかわるATPアーゼ部位と微小管結合部位との間の長距離アロステリック伝達経路を同定した。この研究により、ダイニンの運動機構を理解する枠組みが得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る