Letter 発生:上皮の折りたたみの開始には、接着結合の配置の差異が関係している 2012年4月19日 Nature 484, 7394 doi: 10.1038/nature10938 組織の形態形成の際には、単純な上皮シートが折りたたまれて複雑な構造が形成される。広く受け入れられている上皮折りたたみのモデルでは、ミオシンに依存した頂端部の収縮によって細胞の形態変化が起こるとしている。本論文では、これとは別の機構について述べる。この機構では接着結合の特異な配置が必要であり、こういう変更は上皮の頂端側–基底側の極性の調節によって制御される。生きた胚を画像化することにより、ショウジョウバエの原腸形成の際に背側の折りたたみが開始される前に、開始細胞では接着結合が基底側に移動するが、隣接する細胞では接着結合は頂端のすぐ下側という本来の位置のまま動かないことが明らかになった。背側上皮中の接着結合の配置は、極性化タンパク質BazookaとPar-1に依存している。また、折りたたみ開始細胞で起こる接着結合の基底側への移動に伴って、Par-1レベルがしだいに減少する。BazookaやPar-1活性を一律に低下させると、接着結合が均一に頂端、あるいは側方へと配置され、どちらの場合も背側の折りたたみ開始が起こらなくなる。さらに、Bazooka/Par-1比を上昇させると、異所性の背側折りたたみが起こる。接着結合の基底側への移行は、開始細胞の形を変化させるだけでなく、隣接する細胞の側方の膜が開始細胞側へと湾曲するようになって、これにより組織の変形が容易になる。これらのデータは、上皮の極性変化と上皮の折りたたみ開始とを直接的に結びつけている機構を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る