Letter 地球:27億年前の大気密度は、雨滴痕の化石によって現在の水準の2倍未満に限定される 2012年4月19日 Nature 484, 7394 doi: 10.1038/nature10890 「暗くて若い太陽」のパラドックスによれば、始生代後期に太陽は今よりも約20%暗かったが、液体の水と温暖な気候が維持される程度に初期地球を暖めていた。この現象に対する説明として、窒素の圧力ブロードニングあるいは温室効果ガス濃度上昇によって温暖な状態をもたらす濃い大気の存在が考えられている。このような説明は、メタンや二酸化炭素、酸素などの始生代の大気ガスにおおよその濃度限界を与える地球化学的研究や数値計算によって容認されている。しかし、地表の大気濃度や大気圧を絞り込むフィールドデータはまだ報告されておらず、これらさまざまな仮説の妥当性には疑問が残っている。本論文では、南アフリカのベンタースドープ(Ventersdorp)累層群中の凝灰岩に残っている雨滴痕によって、27億年前の地表の大気密度が現在の水準の2倍未満に絞り込まれることを示す。既知の大きさの水滴を終端速度で新しい火山灰あるいは風化した火山灰に落下させて、痕の大きさと雨粒の衝撃運動量の関係を決定した実験結果を用いて、雨滴化石の説明を試みた。雨滴が扁平になった後に断片化することによって、雨滴の大きさは大気密度に関係なく最大値に限定される。一方で、雨滴の終端速度は大気密度の平方根に反比例して変化する。始生代の雨滴が現在測定されている最大の大きさに達していたなら、大気密度は2.3 kgm−3未満であったと考えられる。これに対して、現在の大気密度は1.2 kgm−3である。しかし、このような雨滴はめったに生じないので、大気密度は1.3 kgm−3以下であった可能性が高い。大気密度の見積もり値の上限では圧力ブロードニング説が可能となるが、可能性の高いもっと低い見積もり値の場合にはこれはありそうもない。我々の結果は、温暖な始生代の気候に必要な極端なCO2濃度も却下する。 Full Text PDF 目次へ戻る