Article 構造生物学:UVR8による紫外線B知覚の構造基盤 2012年4月12日 Nature 484, 7393 doi: 10.1038/nature10931 シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のタンパク質UVR8はB領域紫外線に対する光受容体である。紫外線B照射により、UVR8はホモ二量体から単量体へと瞬時に変化し、これが紫外線防御のためのシグナル伝達を開始させる。UVR8による紫外線B感知の機構はほとんどわかっていない。今回我々は、分解能1.8 ÅでのUVR8の結晶構造を報告し、発色団である外部補因子を全く持たない7枚羽根βプロペラからなる対称なホモ二量体を明らかにする。ホモ二量体界面を安定化しているアルギニン残基(主にArg286とArg338)は、周囲を取り囲んでいるアミノ酸のトリプトファンと複雑な分子内陽イオン–π相互作用を形成している。これらのトリプトファンのうち、Trp285とTrp233の2つはまとまってB領域紫外線の発色団として働いている。構造学的および生化学的解析により、UVR8を介したB領域紫外線感知の分子機構が明らかにされた。この機構では、B領域紫外線の照射によって分子内陽イオン–π相互作用が不安定化され、Arg286とArg338を介した重要な分子間水素結合の崩壊とそれに続くUVR8ホモ二量体の解離が引き起こされる。 Full Text PDF 目次へ戻る