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生化学:B12依存性メチルトランスフェラーゼ複合体中での分子ジャグリングの可視化

Nature 484, 7393 doi: 10.1038/nature10916

ビタミンB12の誘導体は、ヒトでのメチオニン合成や酢酸生成菌でのCO2固定などの多様な生物学的過程でメチル基転移に使われている。この一見単純に見える反応には、大型の多モジュール酵素複合体が必要で、複合体は複数のコンホメーションをとり、反応性B12補因子上で活性化、保護、および触媒反応を交互に行っている。これまでに決定された結晶構造では、このような複合体の断片についての構造情報しか得られておらず、全体的なタンパク質集合状態と活性に固有のコンホメーション変化については推測の域を出ていなかった。今回我々は、モデル酢酸菌であるMoorella thermoacetica由来で220 kDaの完全な複合体のX線結晶構造を報告する。この複合体には、B12依存性メチル基転移に必要なすべての酵素、すなわちコリノイド鉄–硫黄タンパク質とメチルトランスフェラーゼが含まれている。この構造から、B12依存性メチル基転移の活性化、保護、および触媒段階に必要とされるすべてのタンパク質モジュールの三次元描像が初めて与えられた。さらに、これらの構造から、その「休止」および触媒の2つの状態の間の複数の段階にあるB12がとらえられ、メチル基転移を可能とする急激なタンパク質再配置が可視化され、大型の酵素足場中でB12が移動する軌跡が明らかにされた。また、この構造に加えて結晶学的分光分析データも測定されており、結晶中の酵素活性を確認し、結晶状態でのタンパク質構造変化として知られているかぎりで最大のものを明らかにしている。まとめると、この研究は代謝回転に伴う分子ジャグリングのモデルを与え、単純だが生物学的に必須の反応にこのような複雑なタンパク質構造が必要とされる理由を説明するのに役立つ。

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