Letter 細胞:リボソーム上での暗号解読原理の新しい理解 2012年4月12日 Nature 484, 7393 doi: 10.1038/nature10913 リボソームは、タンパク質合成の際に暗号解読中心にあるメッセンジャーRNA(mRNA)のトリプレットにしたがって、転移RNA(tRNA)を正確に選び出す。tRNA選択を開始するのは伸長因子Tuで、tRNAをアミノアシルtRNA結合部位(A部位)へと運び、暗号解読中心でコドン–アンチコドン対が形成されると、GTPを加水分解する。その後の校正段階で、リボソームはtRNAを再点検し、A部位にあるmRNAのコドン(A部位コドン)に一致しないときにはこのtRNAを排除する。16SリボソームRNAで例外なく保存されていて、A部位でのtRNAの結合に不可欠なG530、A1492、A1493が、正しく対応するtRNAを能動的に検証し、正しいコドン–アンチコドン二重らせんができるとリボソーム全体のコンホメーション変化が起こる(ドメインが閉じる)と考えられている。本論文では、3.1〜3.4 Åの分解能で決定した70Sリボソームの6種類のX線結晶構造に基づいて、校正段階で暗号解読中心が正しいコドン、あるいはほぼ正しいコドンに結合した状態をモデル化した、包括的な暗号解読機構を提案する。30Sサブユニットは、正しいtRNAとそれに近いtRNAのどちらが結合しても、全く同じようにドメイン閉鎖を起こすことがわかった。この30Sサブユニットのコンホメーション変化によって形作られる暗号解読中心では、mRNAは、A部位コドンの最初の2塩基がワトソン・クリック塩基対だけを形成するよう制限される。ゆらぎ塩基対を形成すると一般に考えられているU·G、G·Uという誤対合がコドン–アンチコドンの1番目か2番目の位置にあるときには、暗号解読中心がこれらの塩基対に正統的なC·G塩基対に近い配置を強制的にとらせる。この制約だけで、あるいは短いコドン–アンチコドンらせんやアンチコドンループの歪みが加わった場合に、ほぼ間違っていないtRNAのリボソームからの解離が引き起こされる。 Full Text PDF 目次へ戻る