Article 構造生物学:有糸分裂チェックポイント複合体の構造 2012年4月12日 Nature 484, 7393 doi: 10.1038/nature10896 有糸分裂では、すべての姉妹染色分体が紡錘体の双極への結合を完了するまで、紡錘体形成チェックポイント(SAC)が染色体の分離を止めておくことで、ゲノムの安定性が確保されている。SACの機構を担っているのは、有糸分裂チェックポイント複合体(MCC)である。MCCの形成は未接着の染色体が触媒となって進められ、MCCは染色体分離を開始させるE3ユビキチンリガーゼである後期促進複合体/サイクロソーム(APC/C)に結合して、分離を抑制する。本研究では、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)のMCC(有糸分裂紡錘体形成チェックポイントタンパク質Mad2、Mad3、およびAPC/Cコアクチベータータンパク質Cdc20からなる複合体)の結晶構造を用いて、MCCによるAPC/Cの阻害とMCC形成調節の分子基盤を示す。MCCは、Cdc20(APC/Cの基質誘導サブユニット)のデグロン認識部位をふさぎ、Cdc20の位置をずらして、APC/CのサブユニットApc10とCdc20が作るD-box受容部位の形成を妨げて、APC/Cを阻害する。閉じたコンホメーションのMad2(C-Mad2)は、Mad3のKEN-boxデグロンをCdc20と結合するのに最適の位置に置くことで、複合体を安定化する。Mad3とp31comet(別名MAD2L1結合タンパク質)は、C-Mad2の同じ接触面に対して競合することから、p31cometがMCCの形成を妨げて、SACに対して拮抗的に作用する仕組みを説明できる。本研究は、APC/Cの阻害とコアクチベーターによるデグロンの認識がどのように結びついているのかを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る