Article 細胞:三次元培養での機能的な腺性下垂体の自己形成 2011年12月1日 Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10637 腺性下垂体(下垂体前葉)は全身のホルモン調節に中心的役割を担っている。これまで、腺性下垂体を作出する効率的な幹細胞培養系はなかった。この理由の1つは、下垂体原基(ラトケ嚢)がどのように胚の頭部外胚葉で誘導されるのかについての十分な知識がないことである。本論文では、マウス胚性幹(ES)細胞の凝集塊培養での立体的な腺性下垂体組織の効率的な自己形成について報告する。ES細胞にヘッジホッグシグナルを加えた分化誘導処理を行うと、頭部非神経外胚葉と視床下部神経外胚葉が生じ、これらは凝集塊内で隣接する層構造を構築した。これら2つの上皮の境界面では、in vivoで見られるように、ラトケ嚢様の三次元構造の自己組織化が起こり、次に、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞や成長ホルモン産生細胞を含むさまざまな内分泌細胞が作り出された。この副腎皮質刺激ホルモン産生細胞は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンに応答して、効率的に副腎皮質刺激ホルモンを分泌し、下垂体機能不全マウスに移植すると、全身のグルココルチコイドレベルを回復した。このように、ES細胞培養で局所的な組織相互作用を再現することで、機能的な下垂体前葉組織が自己形成される。 Full Text PDF 目次へ戻る