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細胞:多部位リン酸化カスケードが、S期の開始時に起こるSic1の分解を制御する

Nature 480, 7375 doi: 10.1038/nature10560

タンパク質の多部位リン酸化は、段階的なプロテインキナーゼシグナルをスイッチに似た超高感度な応答へと変換する働きをすると考えられている。多部位リン酸化を受ける標的は多数同定されているが、多部位リン酸化過程での個々のリン酸化反応の動態、順序が完全に解明された例は、まだない。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)では、S期の開始はCdk1とClnサイクリンの複合体によって制御されると考えられている。この複合体が、Clb5–Cdk1の阻害因子Sic1を6か所以上リン酸化して、SCFを介した分解を受けるように誘導する。その結果、Sic1から解放されたClb5–Cdk1複合体がS期を開始させる。今回我々は、Sic1の分解はもっと複雑な過程によって行われていて、Cln2–Cdk1とClb5–Cdk1が連続反応性の多部位リン酸化カスケードで作用して、その結果少数の特異的ホスホデグロンのリン酸化が起こることを明らかにする。これらのリン酸化カスケードの進行順序は、Sic1中にあるサイクリン特異的ドッキングモチーフとCdk1のリン酸基アダプターサブユニットCks1を介した、正確に配置されたドッキング相互作用によって決められる。我々の知見は、Clb5–Cdk1に依存したリン酸化が、スイッチ様のSic1分解に必要な正のフィードバックを構成していることを示している。リン酸化部位群内部でのドッキングネットワークついてのこれらの証拠は、Cdk1に依存した細胞周期の進行調節に、これまで知られていなかった複雑さがあることを明らかにするとともに、多部位リン酸化による細胞過程の調節一般にかかわるものである。

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