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生化学:哺乳類AMPKの構造とADPによるその調節

Nature 472, 7342 doi: 10.1038/nature09932

ヘテロ三量体であるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は細胞のエネルギー代謝の調節に重要な役割を果たしており、細胞内ATPレベルの低下に反応して、エネルギー生産経路を活性化し、エネルギー消費過程を阻害する。AMPKは、2型糖尿病や肥満などのエネルギー代謝が関係する多数の病気にかかわっており、最近ではがんにもかかわるとされている。AMPKは、キナーゼドメイン内にある活性化ループのリン酸化によって、不活性型から触媒作用を示す活性型に変換される。γ調節ドメインへのAMPの結合は、上流のキナーゼによるリン酸化を促進してAMPKの脱リン酸化を防ぐとともに、アロステリックな活性化を引き起こす。今回我々は、調節ドメインにある交換可能な2か所のAXP(AMP/ADP/ATP)結合部位のうちの一方だけへのADP結合によってAMPKの脱リン酸化は妨げられるが、この場合にはAMPKのアロステリックな活性化は起こらないことを明らかにする。この研究は、活性な哺乳類AMPKがMg-ATPに比べてADPのほうとかなり強く結合することを示しており、Mg-ATP濃度に比べるとADP濃度が低く、AMP濃度はさらに低いという生理的条件下でAMPKが調節される仕組みを説明している。我々はまた、活性なAMPK複合体の結晶構造を決定した。この構造から、キナーゼドメインの活性化ループが調節ドメインによって安定化される仕組み、AMPKのリンカー領域が脱リン酸化を妨げる調節性ヌクレオチド結合部位と相互作用する仕組みが明らかになる。また、これらの生化学データ、構造データから、細胞のエネルギー状態によるAMPK活性調節機構を示すモデルを作製した。

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