Article 再生医学:三次元培養での自己組織化による眼杯の形態形成 2011年4月7日 Nature 472, 7341 doi: 10.1038/nature09941 均整のとれた器官形成には多数の細胞の相互作用の協調が必要で、それによって細胞が集団としての挙動をとり、発生中の組織がしだいに形作られていく。しかし現時点では、局所的な個々の部分がどのようにして互いに協調し、器官全体へと発生していくのかは解明されていない。今回我々は、マウス胚性幹細胞の凝集塊の三次元培養で、眼杯(網膜原基)構造が活発かつ自律的に形成されることを報告する。胚性幹細胞由来の網膜上皮は自然に半球形の小胞を作り、その近位–遠位軸に沿ってパターンを形成する。近位部分が力学的に強固な色素上皮へと分化する一方、柔軟な遠位部分はしだいに内側へとたたみ込まれて胚の眼杯によく似た形になり、in vivoで見られるように核のエレベーター運動(インターキネティック核移動;interkinetic nuclear migration)が起こり、多層構造の神経網膜組織を形成した。この単純な細胞培養における眼杯の形態形成は、局所的な上皮特性が段階的かつ領域特異的に調節される内在性の自己組織化プログラムによって起こることが実証された。 Full Text PDF 目次へ戻る