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細胞:ヘッジホッグ/Wntのフィードバックは膀胱での上皮幹細胞の再生的増殖を支える

Nature 472, 7341 doi: 10.1038/nature09851

後生動物の器官での上皮の完全性は、器官特異的な幹細胞および前駆細胞が、調節された増殖や分化を行うことで維持される。腸のような器官の上皮は絶えず再生するため、継続的に増殖性を持ち続けているが、他の器官(哺乳類の膀胱など)は上皮の損傷に応答して、ほぼ静止状態から増殖性が非常に高い状態に移行する。損傷によって誘発されるこのような再生応答状態の基礎となる細胞機構や分子機構は十分に解明されていない。本論文では、マウスの膀胱内での細菌感染あるいは化学的損傷に対する増殖性応答は、尿路上皮の基底細胞とその下部の間質細胞の間のシグナル・フィードバックによって調節されることを示す。これらの基底細胞には尿路上皮内であらゆる細胞種を再生できる幹細胞が含まれ、また、これらの基底細胞は分泌タンパク質シグナルであるソニック・ヘッジホッグ(Shh)の発現が目印となることがわかった。損傷が起こると、このような基底細胞でのShh発現が増加し、間質でのWntタンパク質シグナルの発現増加を引き起こす。これが次に、尿路上皮細胞と間質細胞の両方の増殖を促進する。このシグナル・フィードバック回路の活性増強とこれに関連した細胞増殖の増加は尿路上皮機能の回復に必要であるらしく、また、細菌による損傷の場合には、感染のさらなる拡大を阻止、予防するために役立つのかもしれない。我々の知見は、内胚葉性器官での損傷によって誘発される上皮再生に関する概念的な枠組みとなるもので、がんの増殖や転移におけるシグナル伝達経路の役割を理解する基盤となるだろう。

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