Letter 医学:単一細胞の塩基配列解読から推測された腫瘍の進化 2011年4月7日 Nature 472, 7341 doi: 10.1038/nature09807 ゲノム解析からは、コピー数多型が疾患で果たす役割を知るための手がかりが得られるが、その大半の手法は混合細胞集団を解析するようには設計されていない。腫瘍では遺伝的不均一性が広範に認められ、その進化史の再構築に有用な、非常に重要な情報が失われていると考えられる。今回我々は、核のフローソーティング、全ゲノム増幅、並びに次世代シーケンシング法を用いることで、単一核内のゲノムコピー数の正確な定量が可能であることを示す。我々は、ヒト乳がんの症例2例に対して単一核の塩基配列解読を行い、腫瘍細胞集団の構造および進化について検討した。複数ゲノムを有する腫瘍から得た100個の単一細胞の解析から、クローンの連続的増殖を示すと考えられる3種類のクローン亜集団が明らかになった。単一ゲノムを有する原発性腫瘍並びにその肝転移巣から採取した100個の単一細胞をさらに解析した結果、単一クローンの増殖により原発性腫瘍が形成され、転移巣に播種されたことが示された。いずれの原発性腫瘍においても、遺伝的に多様で転移部位には移動しない、予想外に多数の「偽二倍体(pseudodiploid)」細胞からなる亜集団が見つかった。今回のデータは、腫瘍進行の漸進モデルとは対照的に、いくつかの持続的中間体を経る断続的なクローン増幅によって腫瘍が増殖することを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る