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物性:グラフェンにおける非弾性光散乱量子経路の制御

Nature 471, 7340 doi: 10.1038/nature09866

非弾性光散乱分光は、初めて発見されてから、物理科学において、バルク物質やナノスケール物質におけるフォノン、マグノン、プラズモンなどの素励起を探るのに不可欠な手段となっている。非弾性光散乱の量子力学的描像では、入射光子はまず一組の中間電子状態を励起し、次に結晶素励起を生成し、エネルギーの変化した光子を放射する。したがって、中間電子励起は、非弾性光散乱における量子経路として重要な役割を果たしており、このことは共鳴ラマン散乱やラマン干渉によって例証される。このような励起経路を制御できれば、非弾性光散乱を探査、操作、利用する新しい機会が開かれるだろう。今回我々は、電界効果ドープしたグラフェンで励起経路の制御を達成した。この研究は、グラフェンにおける異なるラマン経路の間の量子干渉を明らかにしている。すなわち、経路の一部を遮断すると、1フォノンラマン強度は、通常予想されるとおりには減少せず、急激に増加する。この発見によって、グラフェンにおける共鳴ラマン散乱の理解の新しい手がかりが得られる。さらに、フェルミエネルギーがレーザー励起エネルギーの半分に近づくにつれ、グラフェンでホットエレクトロン・ルミネセンスが起こることも実証した。このホットルミネセンスは、非弾性光散乱の別形態であり、高ドープしたグラフェンでのみ得られる励起状態緩和チャネルに起因している。

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