Article 細胞:直鎖状ユビキチン化は炎症を防止し免疫シグナル伝達を調節する 2011年3月31日 Nature 471, 7340 doi: 10.1038/nature09816 腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーに属する因子は免疫や炎症において重要な機能を持つ。最近、HOIL-1とHOIP(それぞれRBCK1とRNF31としても知られる)を含む複合体によって形成された直鎖状ユビキチン鎖がTNFシグナル伝達に関係していることが示唆されたが、in vivoでどのように関与しているのかは不明だった。今回我々は、直鎖状ユビキチン鎖形成複合体(linear ubiquitin chain assembly complex;LUBAC)の3番目の構成要素としてSHARPINを同定し、これが複合体の他の構成要素(HOIL-1およびHOIP)と共に、CD40およびTNF受容体シグナル伝達複合体に動員されることを明らかにする。TNFシグナル伝達複合体の質量分析から、RIP1(RIPK1としても知られる)およびNEMO(IKKγあるいはIKBKGとしても知られる)が直鎖状ユビキチン化を受けることがわかった。Sharpin遺伝子の変異(Sharpincpdm/cpdm)は、炎症性の皮膚病変とリンパ組織形成不全を特徴とする、慢性増殖性皮膚炎(cpdm)を引き起こす。TNF誘発性の細胞死を起こしやすくなっているcpdm由来細胞においては、TNF、CD40リガンドおよびインターロイキン-1βによる遺伝子発現誘導が減弱していた。Tnf遺伝子の欠損によってcpdmマウスの皮膚病変が防止されたことは重要である。我々は、SHARPINが、TNF受容体シグナル伝達複合体において直鎖状ユビキチン化を可能にすることで、TNF誘発性の細胞死を阻害し、それによって炎症を防止していると結論する。今回の結果は、in vivoでの炎症の防止と免疫シグナル伝達の調節に直鎖状ユビキチン化が関与している証拠を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る