Letter 構造生物学:構成的活性型ロドプシン中のアゴニストが引き起こす活性化の構造的基盤 2011年3月31日 Nature 471, 7340 doi: 10.1038/nature09795 Gタンパク質共役型受容体(GPCR)はヒトゲノム中で膜タンパク質の最も大きなファミリーを構成しており、ホルモンや神経伝達物質、感覚刺激などの広範囲にわたる細胞応答を媒介している。いくつかのGPCRの結晶構造が決定されているが、その多くはほとんど定常活性を示さない修飾型で、インバースアゴニストやアンタゴニストが結合している。つまり、これらの構造は、不活性状態の受容体に対応している。視物質ロドプシンは、活性型と考えられる構造が報告されている唯一のGPCRである。しかし、これらの構造はアポタンパク質、つまりオプシンのものであって、アゴニストである全transレチナールを含んでいない。今回我々は、構成的に活性化しているロドプシン変異体Glu 113Glnが、Gタンパク質トランスデューシンαサブユニットのC末端由来ペプチドと形成した複合体の分解能3 Åでの結晶構造を示す。このタンパク質は、光活性化後の活性型のコンホメーションをとっており、結合ポケットにレチナールを保持している。基底状態のロドプシンの構造との比較により、レチナールのβイオノン環の転位が、活性化の重要なコンホメーション変化である、膜貫通ヘリックス6の回転につながる仕組みが示唆される。このコンホメーション変化の重要な特徴は、レチナール結合ポケットと最もよく保存されているGPCR配列モチーフ3つとの間に作られる、水に媒介された水素結合ネットワークの再編成である。これにより我々は、アゴニストであるリガンドがそのGPCRを活性化できる仕組みを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る