Letter 地球:コルディレラ山系の変形制御における地殻中石英の役割 2011年3月17日 Nature 471, 7338 doi: 10.1038/nature09912 プレートテクトニクスという革命的理論の出現から40年以上が経つが大陸の大規模変形についてはよくわかっていない。岩石の流れの強さと密度の変化は共に応力に寄与するので、両方ともが重要であることは確かだが、これらは岩石の種類、温度、自由な水が存在するかどうかに(ややあいまいだが)依存する。したがって、地球の物性がどのように変換されて幅が数十kmから数千kmに及ぶ大陸変形帯が生じるのか、変形帯の中に変形しない部分が点在することがあるのはなぜか、他の点では安定な大陸内部が大地震により破壊することがあるのはなぜかについては正確にはわかっていない。山地帯とリフト帯が大きな時間的隔たりはあるものの周期的に同じ場所で形成され(ウィルソン・テクトニックサイクルと呼ばれる)、伸張盆地の逆転や以前の変形によって形成された断層などの構造の再活動を伴うという観測結果からは、重要な手がかりが得られる。本論文では、大陸岩の中で最も弱い鉱物である石英結晶の存在度が大陸の温度と変形を大きく左右することを示す。EarthScope観測網の地震学的レシーバー関数法と、重力および地表熱流量の測定を用いて、米国西部の大陸地殻の厚さと地震波速度の比vP/vSを見積もった。このvP/vS比は温度には割合に敏感でないが、石英存在度にはきわめて敏感である。我々の結果は、米国西部の山岳地帯であるコルディレラ山系では、低い地殻vP/vS比が、リソスフェアの高温および大きな変形の両方と、予想外に高い相関を示すことを明らかにしている。温度との関連性に対する最も妥当と思われる説明は強い力学的フィードバックで、延性歪みは比較的弱く、石英が豊富な地殻に最初は局在し、移流による加熱、水和、そしてさらなる弱化を促進する過程を開始するというものである。本論文で提案するフィードバック機構は、変形が動かないこととその空間分布を説明するだけでなく、熱的隆起の時期と分布や、温泉で深部由来の流体が観測されることについての手がかりを与える。 Full Text PDF 目次へ戻る