Letter 発生:胚とリンパ球におけるFADDとRIP1の間の機能的相補性 2011年3月17日 Nature 471, 7338 doi: 10.1038/nature09878 FADDは、複数のデス受容体に共有されるアダプターで、カスパーゼ8の誘導と活性化を介したシグナル伝達によるアポトーシスで働く。デス受容体は免疫恒常性に必須であるが、胚発生には必須ではない。意外にも、Fadd−/−マウスは子宮内(in utero)で致死となり、FADDの条件的欠失はリンパ球増殖の低下を引き起こす。FADDが胚発生とリンパ球応答を調節する仕組みは長らく謎であった。FADDが直接結合しうるRIP1(別名PIPK1)はセリン/スレオニン・キナーゼで、壊死とNF-κBの活性化の両方を仲介する。本研究では、Fadd−/−胚ではRIP1レベルが上昇して、著しい壊死が起きていることを示す。RIP1とFADDの間にはin vivoでの機能的相互作用があると考えられ、それを調べるために、RIP1ヌル対立遺伝子をFadd−/−マウスと交配させた。RIP1の欠失によって、Fadd−/−マウスが正常に胚発生できたことは注目に値する。逆に、Rip1−/−のリンパ球の発生異常は、FADDの欠失によって部分的に回復した。また、RIP1欠失により、Fadd−/−のT細胞の正常な増殖が完全に回復したが、Fadd−/−のB細胞では回復しなかった。Fadd−/−Rip1−/−二重ノックアウトT細胞は、FasやTNF-αによる細胞死に抵抗性を示し、NF-κB活性の低下が見られた。したがって、今回の結果は、FADDとRIP1の間の予想外の細胞種特異的相互作用を明らかにしており、この相互作用は胚発生中のアポトーシスと壊死およびリンパ球機能の調節に非常に重要である。 Full Text PDF 目次へ戻る