Article 物性:原子モット絶縁体における単一スピンアドレッシング 2011年3月17日 Nature 471, 7338 doi: 10.1038/nature09827 光格子中の超低温原子を用いることによって、量子多体系の基本特性を調べる汎用的手段が得られる。特に、実験パラメーターの高度な制御によって、量子相転移や量子スピンダイナミクスなど、多くの興味深い現象の研究が可能になった。今回我々は、光格子の特定サイトにおける単一スピンという最も基本的なレベルで、そのような制御を実現する方法を実証する。我々は、強く集束したレーザービームをマイクロ波場とともに使って、回折限界以下で格子間隔よりもかなり細かい分解能で、モット絶縁体中の個々の原子のスピンを反転できた。このモット絶縁体によって、原子が完全に整列した大きな二次元アレイが得られ、原子分布を凍結した後、選択した格子サイトの連続アドレッシングによって任意のスピンパターンを形成した。1本の線に沿って形成した格子中の単一原子のトンネリング量子ダイナミクスが直接モニターされ、我々のアドレッシング方式が原子を運動基底状態のままに保つことが観測された。今回の結果から、エントロピー輸送やスピン不純物の量子ダイナミクスの研究、新規な冷却方式の実現、量子多体相の設計やさまざまな量子情報処理への応用が可能になると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る