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医学:ティモシー症候群患者由来の誘導多能性幹細胞を用いた心臓表現型の研究

Nature 471, 7337 doi: 10.1038/nature09855

先天性または後天性のQT間隔延長が見られるQT延長症候群(LQTS)患者は、生命にかかわる心室性不整脈のリスクを有する。LQTSは一般的に遺伝的起源を持つが、環境要因によって発症または悪化する例もある。ティモシー症候群患者では、L型カルシウムチャネルCaV1.2のミスセンス変異がLQTSをもたらす。我々は、ティモシー症候群の変異がヒト心筋細胞の電気的活動および収縮に及ぼす影響を調べるために、ティモシー症候群患者から採取したヒト皮膚細胞を再プログラム化して誘導多能性幹細胞を作製し、心筋細胞へと分化させた。この細胞で電気生理学的記録およびカルシウム(Ca2+)画像化法を行ったところ、心室様細胞では不規則収縮、Ca2+の過剰流入、活動電位の延長、不規則な電気的活動、並びに異常なカルシウム・トランジェントが見られることが明らかになった。CaV1.2の電位依存的不活性化を促進する化合物ロスコビチンは、ティモシー症候群患者由来の心筋細胞の電気的特性およびCa2+シグナル伝達特性を回復させることがわかった。今回の結果は、ヒトの心臓不整脈の分子機構および細胞機構の研究に新たな機会を提供するとともに、こうした疾患の新しい治療薬開発に使える確実な検査法を提供している。

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