Letter 免疫:レチノイン酸とIL-15の協調的アジュバント効果は食物抗原に対する炎症性免疫を誘導する 2011年3月10日 Nature 471, 7337 doi: 10.1038/nature09849 生理的な条件下では、腸関連リンパ組織は局所的な炎症性免疫応答の誘導を防ぐばかりでなく、経口摂取された抗原に対する全身性寛容も誘導する。注目すべき例外はセリアック病で、この病気では、ヒト白血球抗原(HLA)分子 HLA-DQ2もしくはHLA-DQ8を発現していて遺伝的感受性を持つヒト個体が、小麦に含まれるタンパク質であるグルテン摂食に対して炎症性T細胞応答および抗体応答を起こす。可溶性抗原に対するこのような粘膜免疫応答の調節異常の基盤となる機序は明らかになっていない。ビタミンAの代謝産物であるレチノイン酸は、腸の調節応答の誘導に非常に重要な役割を担っていることが示されている。今回我々は、レチノイン酸が、セリアック病患者の腸で大幅に増加しているサイトカインIL-15と協調して樹状細胞を迅速に活性化して、JNK(MAPK8としても知られる)リン酸化と炎症性サイトカインIL-12p70およびIL-23の放出を誘導することをマウスで見いだした。その結果、ストレスを受けた腸環境ではレチノイン酸が、経口摂取した抗原に対する炎症性の細胞性応答および液性応答を防ぐのではなく、促進するアジュバントとして作用していた。つまり、これらの知見は食物抗原に対する寛容の破綻におけるレチノイン酸とIL-15の予想外の役割を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る