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生化学:RNAポリメラーゼIIの後戻り、一時停止と再活性化の構造的基盤

Nature 471, 7337 doi: 10.1038/nature09785

遺伝子転写の際に、RNAポリメラーゼ(Pol)IIはDNAに沿って前方に動き、メッセンジャーRNAを合成する。しかし、ある種のDNA配列ではPol IIは後方へ動き、そのような後戻り(バックトラック)により、転写は一時停止することがある。細胞の生存に必要であるRNA切断を引き起こす転写因子IIS(TFIIS)により、一時停止したPol IIは再活性化される。Pol IIの一時停止と再活性化は、ヌクレオソームを介した転写とプロモーター近傍の遺伝子調節に関与している。今回我々は、DNAおよびRNAが結合した一時停止中の出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)Pol II複合体と、TFIISがさらに結合した再活性化中間体の3.3 Å分解能でのX線構造を示す。一時停止複合体では、後戻りした分に当たるRNAの8つの塩基が、Pol IIの細孔とじょうご状部分にある保存された「バックトラック部位」に結合し、活性中心のトリガーループを捕捉してmRNAの伸長を阻害している。再活性化中間体では、TFIISが、後戻りしたRNAからトリガーループを離して固定し、RNAをバックトラック部位から動かし、RNA切断の際にプロトン移動を触媒する可能性がある塩基性残基1つと酸性残基2つによりポリメラーゼの活性部位を埋めている。活性部位は、おそらく後戻りの範囲を定めている「ゲーティング・チロシン」残基により、バックトラック部位と分けられている。これらの結果は、Pol IIの後戻りや、一時停止と再活性化の構造的基盤を確立し、転写伸長中の遺伝子調節解析のための枠組みを提供する。

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