Article 医学:B細胞リンパ腫におけるアセチルトランスフェラーゼ遺伝子の不活性化突然変異 2011年3月10日 Nature 471, 7337 doi: 10.1038/nature09730 非ホジキン型B細胞リンパ腫は生物学的にも臨床的にも異なる疾患群からなっており、その病因にはがん遺伝子やがん抑制遺伝子に影響を与える遺伝子損傷がかかわっている。今回我々は、2つの最も一般的な病型である濾胞性リンパ腫とびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫では、CREBBPの、またそれよりは少ないがEP300の、不活性化を起こす構造変化が頻繁に起こっていることを報告する。これら2つはきわめて近縁のヒストンおよび非ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)であり、多くのシグナル伝達経路で転写コアクチベーターとして働いている。全般的に言えば、およそ39%のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、41%の濾胞性リンパ腫が、これら2つの遺伝子のゲノムレベルの欠損またはHATコードドメインの欠失または不活性化を起こすような体細胞レベルの突然変異を示していた。これらの遺伝子損傷は通常、単一の対立遺伝子に影響を及ぼしており、HAT量の減少がリンパ腫発生に重要であることを示唆している。BCL6がんタンパク質のアセチル化を介した不活性化とp53がん抑制因子の活性化に、特異的な欠陥が実証された。これらの結果は、CREBBP/EP300の突然変異が一般的なタイプの非ホジキンB細胞リンパ腫に共通した主たる発病機構であり、アセチル化/脱アセチル化機構を標的とする薬剤の使用に直接かかわってくる。 Full Text PDF 目次へ戻る