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細胞:多分化能を賦与する再プログラム化過程でのコピー数変動と選択

Nature 471, 7336 doi: 10.1038/nature09871

体細胞の再プログラム化による誘導多能性幹(iPS)細胞の作出効率は低く、その原因となる機構は十分に解明されていない。再プログラム化過程自体が、ゲノムの完全性を損なうのかどうか、また、そのような損傷を介してiPS細胞の樹立の効率を低下させているのかどうかを調べなければいけないことは明らかである。我々は、高分解能一塩基多型アレイを用いて、培養継代回数の異なるヒトiPS細胞と、そのiPS細胞の起源細胞である繊維芽細胞、およびヒト胚性幹(ES)細胞でのコピー数変動(CNV)を比較した。本論文では、培養継代回数の少ないヒトiPS細胞には、継代回数が中程度のヒトiPS細胞、繊維芽細胞あるいはヒトES細胞よりも、CNVがかなり多く存在することを示す。CNVの大半はde novoに形成されており、これによって継代回数の少ないヒトiPS細胞では遺伝的モザイクが生じる。これらの新規CNVの大部分は、細胞にとって選択上、不利に働くものだった。培養ヒトiPS細胞が増殖するにつれ、変異を持つ細胞が急速に選択・排除され、ヒトES細胞に類似した遺伝学的状態に細胞株が向かったことは注目に値する。

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