Letter 気候:南極の気温と局地的な日射の軌道時間スケールでの同期性 2011年3月3日 Nature 471, 7336 doi: 10.1038/nature09825 ミランコヴィッチ理論は、数万年から数十万年の軌道時間スケールにおける全球の気候変動が、北半球高緯度域の夏季の日射によって支配されているとしている。これを裏付ける証拠の1つが復元された南極の気温であり、この気温は北半球の夏季の日射とほぼ同期していて、局地的な夏季の日射には同期していない。したがって、南極の気候は北半球の夏季の日射によって駆動されると考えられている。しかし、軌道時間スケールにおいて両半球を結びつける明確な機構は見つかっていない。我々は、ここで重要となる氷床コアから得られた南極の気温記録が、雪の堆積の季節サイクルが原因で南半球冬季に偏っていると考え、本論文ではこの「記録装置」システムにおける偏りの現在の推定値を用いて、局地的な日射が気温記録の軌道成分を説明でき、北半球との関連を援用する必要がないことを示す。したがって、南極氷床コアから得られた気温記録は、最もよく年代決定がなされた更新世後期の気温発展の記録の1つであるが、これを、全球の気候変動が北半球の夏季の日射の変動で駆動されるというミランコヴィッチの仮説の裏付け、あるいは否定の根拠とすることはできない。 Full Text PDF 目次へ戻る