Article 細胞:HDACはDNA損傷応答、二本鎖切断過程およびオートファジーを関連付ける 2011年3月3日 Nature 471, 7336 doi: 10.1038/nature09803 タンパク質のアセチル化は、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)およびデアセチラーゼ(HDAC)によって行われ、クロマチンの動態、タンパク質の代謝回転やDNA損傷応答に影響を与える。ATMはDNA二本鎖切断を、ATRは一本鎖DNA–RFAヌクレオフィラメントをそれぞれ感知することにより、DNA損傷チェックポイントを仲介する。しかし、アセチル化がDNA損傷応答を調整する仕組みはわかっていない。本論文では、HDACの阻害あるいは除去が、酵母Mec1(ヒトATRのオルソログ)の活性化、二本鎖切断過程および一本鎖DNA–RFAヌクレオフィラメント形成を特異的に妨げることを示す。また、HDACの阻害後に、組み換え開始にかかわるタンパク質Sae2(ヒトCtIP)はアセチル化を受けて分解される。これらの過程では、Hda1およびRpd3という2種類のHDAC、1種類のHATであるGcn5が重要な役割を持つ。また、HDACの阻害は、hda1変異体およびrpd3変異体のDNA損傷感受性に影響を与えるオートファジー促進によりSae2分解を引き起こすこともわかった。Tor阻害によりオートファジーを促進するラパマイシンは、Sae2分解も引き起こす。Rpd3、Hda1およびGcn5は、ATRチェックポイントおよび二本鎖切断過程とオートファジーを協調させることにより、染色体の安定性を制御していると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る