Letter 脳:盲視は外側膝状核によって起こる 2010年7月15日 Nature 466, 7304 doi: 10.1038/nature09179 一次視覚皮質(V1)に損傷を受けると、視覚体験は失われる。しかし、注意深く調べると、ある種の視覚関連行動が、本人の視覚認識のないまま存続していることがある。この現象は盲視とよばれることが多いが、その基盤となる神経回路はわかっていない。本論文では、視床の外側膝状核(LGN)が、V1によらない視覚情報処理に原因的な役割をもつことを示す。機能的磁気共鳴画像法(fMRI)と行動指標を、一時的にLGNを不活性化した場合としない場合とで比較することにより、慢性的なV1損傷をもつマカクザル(Macaca mulatta)の視覚機能へのLGNの寄与を検討した。損傷で影響を受けた視野(不感領域)に高コントラストの視覚刺激を与えると、LGNを不活性化する前には、V2、V3、V4、V5/中側頭葉(MT)、上側頭溝底(FST)および外側頭頂内領域(LIP)に、顕著なV1非依存的fMRI活動が生じ、動物は刺激検知課題に対して正しい位置回答を示した。しかし、損傷V1と同側のLGNを可逆的に不活性化すると、fMRIの反応も行動上の刺激検知もみられなくなった。これらの結果から、LGNから有線外皮質への直接投射が、盲視に重要な機能的寄与をしていることがわかる。これらの投射は、通常の視覚の際にも、対象のすばやい検知に有効な経路となっているかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る