Letter

進化:サウジアラビアで出土した新たな漸新世霊長類、および類人猿と旧世界ザルの分岐

Nature 466, 7304 doi: 10.1038/nature09094

ヒト上科(類人猿およびヒト)とオナガザル上科(旧世界ザル)が、アフリカ・アラビア地域に起源をもつ狭鼻猿類として共通の祖先を有することは広く知られている。化石記録中で最古のステム系統狭鼻猿類はプロプリオピテクス上科であり、始新世後期から漸新世前期(約3,500万〜3,000万年前)にエジプトおよびオマーンに存在したことが知られており、アンゴラにも存在していた可能性がある。ヒト上科とオナガザル上科の分岐は、ゲノムに基づく推定では漸新世前期とされているが、3,000万〜2,300万年前の漸新世中期から後期の期間に関しては、ヒト上科とオナガザル上科の最終共通祖先の形態、両者が分岐した時期、および初期のステム系統/クラウン系統狭鼻猿類の関係を示す化石証拠がほとんど得られていない。本論文では、2,900万〜2,800万年前の新たな中型(約15〜20 kg)の化石狭鼻猿類Saadanius hijazensisの頭蓋骨の一部について報告する。比較解剖学および分岐分析により、Saadaniusは、ヒト上科–オナガザル上科分岐群の基部に近い進化したステム系統狭鼻猿類であることが明らかになった。Saadaniusは、クラウン系統狭鼻猿類の祖先の形態型、初期狭鼻猿類の系統発生、およびヒト上科とオナガザル上科の分岐年代に関して競合する複数の仮説を評価するのに重要である。Saadaniusには管状ectotympanic(耳の部分の骨)がみられるが、どちらのクラウン系統狭鼻猿類群の共有派生形質ももたないことから、ヒト上科とオナガザル上科との分岐が生じたのはそれよりも新しく、2,900万〜2,800万年前よりも後で2,400万年前より前のことと考えられる。

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