Letter 気候:サヘル地域における商業的農業の開始期におけるアフリカのダスト(塵埃)フラックスの増加 2010年7月8日 Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09213 サハラ砂漠は世界最大の鉱物ダスト発生源である。アフリカからのダスト放出は1970年代前半に急激に増加したが、この変化の主な原因は、海面水温の全球分布の変化によって生じたサハラ/サヘル地域の干ばつであるとされてきた。砂漠化の長期的な変化傾向を明らかにするのに十分なデータがないため、この地域で人間が土地荒廃やダストの移動に及ぼした影響については、あまり解明されていない。大気によって運ばれるアフリカのダスト濃度の直接観測結果は、1960年代の半ばにバルバドスの観測所からようやく得られるようになり、その後1970年代後半からは衛星画像から得られている。しかし、これらの観測結果には、約170年前のサヘル地域の商業的農業の開始期が含まれていない。本論文では、西アフリカのダストプリュームの下に位置する海洋観測点に堆積した、陸成堆積物の化学的性質と粒径分布を調べて、アフリカ北西部沖ダスト堆積の3,200年間の記録を作成した。このダストの記録と西アフリカの降水の代理指標記録を用いて100年の時間スケールでみた場合、17世紀まではダストの堆積と熱帯西アフリカの降水が関連していることがわかった。19世紀初頭には、サヘル地域の商業的農業の出現と並行して、ダストの堆積が急増している。これらの結果は、人が引き起こしたサヘル地域からのダスト放出が、約200年間にわたって大気中のダスト含有量に寄与してきたことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る