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細胞:遺伝子内DNAメチル化が選択的プロモーターの調節に果たす、保存された役割

Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09165

5′プロモーター内のDNAのメチル化が遺伝子発現を抑制することは知られているが、遺伝子内部のDNAメチル化の役割は明らかになっていない。哺乳類では、5′CpGアイランド(CGI)プロモーターのごく少数に組織特異的、細胞型特異的なメチル化が存在する一方、遺伝子全体では、はるかに多くの部分でメチル化が起こり、しかも高度に保存されている配列に一致する。組織特異的な遺伝子内メチル化は、転写伸長の効率を低下させている、あるいは逆に促進している可能性がある。CAGE(capped analysis of gene expression)実験により、転写は遺伝子内、遺伝子間で開始するのが普通であることが示されている。遺伝子内メチル化の役割を調べるため、ヒト脳の2,800万か所のCpG部位のうち2,470万か所を網羅するDNAメチル化地図を作製した。CpGアイランドを高分解能で密に調べることにより、メチル化CpGアイランドの大多数は遺伝子内と遺伝子間にあることがわかったが、5′プロモーター中ではメチル化されているのはCpGアイランドの3%未満であった。これら3つの場所すべてで、CpGアイランドは、転写開始部位の目印となるRNAと重なり合っており、また非メチル化CpGアイランドも、プロモーター部位に多いヒストン修飾であるH3K4トリメチル化と明らかに重なり合っていた。メチル化の一般的パターン、CpGアイランド特異的パターンは、マウスの組織では保存されている。ヒトSHANK3遺伝子座とマウスのホモログを徹底的に調べたところ、この組織特異的DNAメチル化が、in vitroでもin vivoでも遺伝子内プロモーター活性を調節していることが実証された。メチル化によって調節されるこのような選択的転写産物は、組織特異的、細胞型特異的に発現し、同じ型の細胞でも脳の異なった領域由来の細胞では発現の仕方が異なる。これらの結果から、遺伝子本体内部にある細胞状況特異的な選択的プロモーターの調節に、遺伝子内メチル化が重要な役割を担っていることが裏付けられる。

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