Letter 量子情報科学:極めて明るい量子もつれ光子対光源 2010年7月8日 Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09148 トリガーされた量子もつれ光子対光源は、量子情報科学の重要な構成要素である。これは、線形量子計算、量子もつれスワッピングや量子テレポーテーションなどの機能を実行するときに必要になる。偏光量子もつれ光子対は、非線形光学媒質でのパラメトリック変換、あるいは半導体量子ドットに捕捉された2個の電子–正孔対の輻射緩和を使って発生できる。今のところ、これらの光源の動作レートは非常に低く、励起パルス当たり0.01ペア以下であるため、その応用が強く制限されている。パラメトリック変換に基づく系では、この低いレートは光源のポアッソン統計に本質的に起因している。逆に、量子ドットは1に近い確率で単一の量子もつれ光子対を放出できるが、抽出効率が自然に極めて低くなってしまう欠点をもつ。ここでは、この欠点が、「フォトニック分子」の形をした光共振器を単一量子ドットと結合させれば解決可能であることを示す。結合した2個の同一のピラー、すなわちフォトニック分子を、光リソグラフィー法を使ったエッチングにより、半導体平面微小共振器内に作製した。このやり方では、あらかじめ選んだ量子ドットと、励起子分子と励起子のエネルギー状態との決定論的な結合が保証される。パーセル効果によって、大部分の量子もつれ光子対は2つの共振器モードへ放出され、また、2つの光再結合経路の識別不可能性も改善される。励起パルス当たり0.12個のレートで、偏光量子もつれ光子対が最初のレンズに収集された(コンカレンスは0.34)。我々の結果は、生成と収集の全体効率が80%という、固体のトリガーされた量子もつれ光子対光源作製への道を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る