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細胞:単一細胞でのNF-κBの動態から示されたデジタルな活性化とアナログな情報処理

Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09145

細胞は動的に変化する環境の中で、遺伝的回路の相互作用によって生じる並外れたコミュニケーション能力を使って機能している。哺乳類の免疫応答は、さまざまな種類の細胞の協調の好例である。細胞間の情報伝達は、空間的時間的な濃度勾配を形成するシグナル分子によって主に行われるため、細胞は広範囲のシグナル強度に対して応答することが求められる。今回我々は、高スループットなマイクロ流体細胞培養、蛍光顕微鏡法と定量的遺伝子発現解析、数理モデル化を使って、哺乳類の1個の細胞が、シグナル伝達分子である腫瘍壊死因子-α(TNF-α)のさまざまな濃度に応答し、転写因子であるNF-κBを介して遺伝子発現プログラムに情報を伝える仕組みを調べた。TNF-αの濃度を104倍までの範囲内で変化させ、数千の生細胞のNF-κB活性を測定したところ、全体としての測定を行った集団レベルでの結果とは対照的に、活性化は不均一で単一細胞レベルではデジタルな過程であり、TNF-αが低濃度の場合には応答する細胞数が少ないことが明らかになった。細胞は、情報伝達の結果を調整するために鋭敏なアナログパラメーター群も使っており、その中にはNF-κBのピーク強度、応答時間、振動数などがある。我々は、このデジタル、アナログ両方の動態を再現し、さらに測定した全条件下での遺伝子発現プロファイルのほとんどを再現できる確率論的数理モデルを構築した。これは、多様な種類の細胞でTNF-αが引き起こすNF-κBシグナル伝達に、幅広く応用可能なモデルとなる。これらの結果は、生体系がどのように機能しているのかを理解するのに単一細胞レベルの分解能での高スループット定量測定が非常に重要なことを示している。

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