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進化:魚類のアクチノトリキアタンパク質群の消失と、鰭から四肢への移行

Nature 466, 7303 doi: 10.1038/nature09137

硬骨魚類の対鰭の初期発生は、四肢動物の肢芽の初期発生と極めてよく似ており、同様の機構によって制御されている。胸鰭と四肢とで発生初期にみられる形態学的相違の1つが、肢芽の周縁にある遠位部表皮の外胚葉性頂堤(AER)の運命決定である。四肢動物のAERは骨格前駆組織の決定後に退行するが、硬骨魚類のAERは伸長する鰭褶を形成する。この鰭褶の形成に伴って、堅くて石灰化されないアクチノトリキア(actinotrichia)とよばれる原繊維が2列作られ、これにより鰭褶がまっすぐに維持され、鰭褶内の間葉細胞の移動が誘導される。アクチノトリキアはエラストイジンでできているが、コラーゲンを除いてその構成成分は不明である。本研究では、ゼブラフィッシュのアクチノジン(actinodin) 1および2(And1およびAnd2)と名付けた2種類のタンパク質が、エラストイジンの必須の構造成分であることを示す。いくつかの硬骨魚類やゾウギンザメ(Callorhinchus milii、魚類系統樹の基部に位置する)ではactinodin遺伝子の塩基配列が存在するが、四肢動物には存在しないため、これらの遺伝子は四肢動物種の進化の過程で失われたことが示唆される。ゼブラフィッシュ胚でand1and2の二重遺伝子ノックダウンを行うとアクチノトリキアが欠失し、鰭褶の形成異常が起こる。and1and2の機能を欠損した胚にみられる遺伝子発現プロファイルは、胸鰭の矮小化の場合と一致しており、初期四肢動物の化石でみられる多指性に対する説明になる可能性がある。進化の過程でactinodin遺伝子群とアクチノトリキアの両方が消失したことが、鰭条の消失につながり、鰭から四肢への移行に寄与した可能性があると我々は考える。

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